日本陸軍で採用された輸入バイク

日本陸軍で採用された輸入バイク

ハーレーダビッドソンは、アメリカのウィスコンシン州ミルウォーキーにあるオートバイ製造会社名であり同社が販売しているオートバイ名です。
アメリカを代表する大型バイクとして全世界で知られます。会社設立は1903年のことで、1912年には日本陸軍がはじめて輸入を行うなど日本と歴史が深いバイクです。
日本陸軍では主にサイドカーを取り付けたものが中心で、偵察や連絡としていった任務に使われました。
当時はハーレー以外にもさまざまなバイクが利用されましたが、当時の小型バイクは性能が不十分で、特に不整地などを走るさいには、その機動性は大きく損なわれました。
一方で大排気量を持ち、また大馬力であるハーレーは信頼性、走行性ともに優秀なこともあり日本でのバイクの中心となっていきます。また輸入に頼っていた状況も昭和に入ると三共が、ハーレーからの製造権を購入し日本でのライセンス生産が始まります。
のちにこれは陸王と車名を変え、また社名もそれまでの三共内燃機から陸王内燃機と改めて終戦後も生産されましたが、戦後の混乱期では大型バイクの需要は薄いこともあり、経営に行き詰まり陸王内燃機は昭和24年頃には倒産してしまいます。
事業は昭和飛行機資本傘下の陸王モーターサイクルに継承されましたが、開発技術の進歩がなかった陸王は結局、昭和34年に生産が中止され、陸王モーターサイクルも翌年に倒産しました。
なお、ハーレーは代理店販売が中心でしたが1989年に日本法人が設立され現在では、正規販売店で購入することができます。